【聞き上手】カウンセラーもやっている話の聞き方

【聞き上手】カウンセラーもやっている話の聞き方

「聞き上手と言われたい!」
「解決してあげられなかった…」
そんなお話やスキルアップの相談を受けることが最近増えてきています。
聞き上手になる!解決したって笑顔を向けられたい!
そう思う時に絶対にやらなければならないことが一つあります。
それは「言語化」です。

言語化というとイマイチ分かりづらいかもしれません。
例えば、なんとなく具合が悪くなってお医者さんに行くとします。
その際に私たちがやるのは、のどが痛い。熱がある。おなかが痛いといったような症状をホンネから語ること。
そして、お医者さんに「風邪」です。と、診断をもらう。
その診断があるから、ホッとする。対応する薬がある。治る。
言い換えれば、症状をまとめて適切な言語にする行為を診断と呼んでいます。
この「診断」こそが、「言語化」の本質です。

実は、聞き上手と言われる人は「言語化」ができる人ではありません。
言語化はそもそもホンネが聴けていなければ成り立ちませんよね。
単純にホンネを引き出すのが上手な人。
それを、「聞き上手」と呼びます。

そもそも病院では症状がいつからあって、今までの病歴はこうで…と、自然にできるものですが、普通の時の悩み相談はそうはいきません。
「これは言えないなあ」
「嫌われたくないしこれ以上は…」
「上司であって家族ではないもんな」
なんて、色々自分で壁を作っちゃう。
それを上手に外してあげるのが、「聞き上手」な人なんです。

聞き上手になるためにはどうすればいいのか?

ホンネで語ってもらうためには、話のどこに注目して聞いていくのかが大事。
悩みを判断するためには、本人からの詳細な話を聞くことが必要です。以下は、悩みを判断するために重要な情報です。

①悩みの内容
本人が何に悩んでいるのか、詳細な内容を聞くことが必要です。
例えば、仕事のプレッシャー、キャリアアップ、家庭のこと、健康のこと、人間関係のことなどが挙げられます。
「仕事がうまくいかないことに悩んでいます」
と言われても「悩みを見つけたぞ!」と思わずに丁寧に扱いましょう。
実は、「上司が一切手伝ってくれないし、叱責しかもらえない」ということであれば、悩みの本質は「上司との関係」のはず。
内容が聴けているようで聴けていないケースを回避するための方策が、②の背景を聴くという項目です。

②悩みの背景
悩みが生じた背景や経緯にも注意です。
例えば、転勤や出向による環境の変化、職場でのトラブル、家庭内の問題、身体的な不調などが話題に出た時はもちろん着目していますよね?
悩みとは、理想と現実のギャップです。
背景を理解することは、現実に起きていることを把握するということ。
この点がしっかり分かると、相談する人にとっての悩みの深さがわかります。

③本人の価値観や目標
本人がどのような価値観を持ち、どのような目標を持っているのかも重要です。例えば、キャリアアップを望んでいる場合は、どのようなキャリアアップを望んでいるのか、どのようなスキルアップが必要かを聞く必要があります。
価値観や目標は、過去の経験によって形成されていたりします。
特にこの項目は、将来についての悩みを考える際に大切な要素になります。

④環境や人間関係の要素
悩みに関連する環境や人間関係の要素も重要です。
例えば、職場の上司や同僚、家族や友人などの関係性や、社会的な要因、経済的な状況などが挙げられます。
この項目は、まわりに目を向けてサポーターに気づいてもらうことにも役立ちます。
悩んでいる時は、自分の中だけで考えてしまいがち。
けれど本来は違います。
周りの環境は、実は助けてくれる環境かもしれません。
「怖い上司に頼まれた仕事で失敗して、本当にどうしようと思っていた時、怖いと思っていた上司が助けてくれた」
そんな話も実際にあるんです。

⑤悩みに対する感情
本人がどのような感情を抱いているのかも重要です。
例えば、ストレスや不安、落ち込み、怒りなどが挙げられます。
普段私たちのコミュニケーションは事実を伝えることに特化しています。
「駅でハンカチを拾ったの」と伝えたとしても、拾おうと思った時の気持ちや、拾った後どう思ったのか。私に話そうと思ったのはどうしてか?など、様々な気持ちがあるはずです。
気持ちをとらえてみてください。

これらの情報を詳しく話してもらって、話し手の頭の中を整理することで、悩みをより深く理解し、的確なアドバイスやサポートを提供することができるようになりますよ。

まとめ

いかがだったでしょうか?
聞き上手になる道のりは長そうに見えた方もいるかもしれませんね。
私もそうだったのですが、何か一つだけでもできるようになると、それだけで実感できることはたくさんありますよ。
しかも、できるようにならなくていい。
意識しているだけで、相手をしっかり理解しようというマインドセットは整いますから。
気持ちは伝わります。
まずは、やってみてください!

投稿者プロフィール

木村 俊夫
木村 俊夫
自信が無くて引きこもっていた自分が前に進めたきっかけは「聴いてくれる人」でした。大学卒業後から起業し「聴く」ことをベースに活動をしています。教育、面接、マネジメント、カウンセリング、講師と様々な複業の実践家でもある。
現在は「カウンセリング」の良さを広げる伝道師として活動を続けている。