【後編】世代間ギャップ!なんか合わないなという関係の対策を考えてみた

【後編】世代間ギャップ!なんか合わないなという関係の対策を考えてみた

前回の世代間ギャップのお話、いかがでしたでしょうか?
もしかしたら普段感じているやりにくさも、世代間ギャップなのかもしれません。
今回は、どのように対策していけばいいのかを考えてみたいと思います。

できる対策

①教育研修
世代間の違いを理解し、それぞれの強みを活かすための教育やトレーニングを提供することが重要です。
とはいっても、これは難しい。
正直無理だと思われる人もいると思います。
だからこそまずは、キャリアコンサルティングで出た話をみんなで議論する場を作ってみるのはどうでしょうか?
例えば、「客先に行けと言われるが客先からはオンライン対応を求められてしまっている現状を分かって欲しい」という言葉があったとするならば、それをテーマにシニアも若手もみんなで議論するのです。
そうすることで少しずつオンラインMTGが苦手なシニアの声が浮き彫りになってきたりして、議論が活発になったという事例があります。

②お互いがメンターとなる取り組み
メンターは、経験豊富な従業員が若い従業員に知識やスキルを伝える方法として既に実施している企業も多いでしょう。
一方、リバースメンターという概念は、若い世代が年配の世代に新しい視点や技術を教える役割を果たします。
これにより、世代間の理解と共感が深まるだけでなく、悩みの共有も容易になります。
ただし、①の教育研修を挟むなど、お互いの精神的なハードルに配慮しなければなりません。

③働き方の多様化
リモートワークやフレキシブルな勤務時間の導入を促進することで、異なる世代の働き方のニーズに対応し、生産性と従業員の満足度を向上させることができます。
また、これにより、バランスの取れたライフスタイルを求める若い世代と、家庭や個人的な義務と仕事を両立させる必要がある年配の世代の両方をサポートすることにもつながります。

心理的ハードル
世代間ギャップを改善する取り組みにおいて大きな問題になる心理的なハードル。
あなたも私も、自身の視点や経験を否定されるような出来事に抵抗を感じることが多く、新しい考え方や技術を受け入れることに恐怖を感じることさえあります。

心理的ハードルを下げるには

①安心安全な環境
新しいことを受け入れ、自分の視点を広げるためには、失敗を恐れずに試行錯誤できる安心安全な環境が必要です。
心理的安全性と表現されることもありますが、働く人が自分の意見を自由に表現し、新しいアイデアを提案できるような文化を醸成することが大切になります。

②スモールステップ
大きな変化は抵抗を引き起こすことが多いため、小さなステップで進行することが有効です。
例えば、新しい技術のトレーニングを一度に全て行うのではなく、段階的に導入することで、従業員が新しい情報を消化しやすくなります。
また、取り組みをいきなりやるのではなく、アンケートやインタビューから始めるなど抵抗なく受け入れられる取り組みを考えてみることも大切です。

③成功事例の共有
他の会社/人が新しいアプローチや技術を成功させている事例を共有することで、心理的なハードルを下げることができます。
これにより、従業員は自分たちも同じことができるという自信を得ることができます。
ただ、事例はあればいいというわけではありません。
出来る限り自分に合っている事例を探すのが私たちですから、事業規模や年齢差、性別の違いなどできるだけ詳細に事例を集めることが大切です。

④承認
従業員が新しい挑戦を受け入れるためには、その努力と成功が承認され、「報われた」と感じることが大切。
最終的にはリスキリングなど大きな取り組みに繋げ、報酬や役割などの大きな変化をもたらしたいという思いはあると思いますが、最初はスモールステップで。
みんなの前で取り組み自体を評価したり、自分の取り組みをまとめてもらって社内のノウハウにするという「居場所」を感じるような取り組みも考えられるでしょう。

おわりに

何となくわかるけど、なんとなく取っ付きづらいと思われたのではないでしょうか?
それは、常に相手のことを考えろと言われているからです。
だからこそ私は世代間ギャップを埋めるというのは、対話しかないような気がします。
全体としての傾向をどれだけ学んでも、傾向から外れた人は必ずいます。
私たちは目の前の人とのコミュニケーションを通してしか、その人を理解することはできません。
あなたの近くにいる、世代間ギャップを感じる人は、いつ、どこで、誰と、どのような体験をし、なぜそう考えるに至ったのか…。
じっくり話を聞いてみるのも、歩み寄りのチャンスかもしれません。

投稿者プロフィール

木村 俊夫
木村 俊夫
自信が無くて引きこもっていた自分が前に進めたきっかけは「聴いてくれる人」でした。大学卒業後から起業し「聴く」ことをベースに活動をしています。教育、面接、マネジメント、カウンセリング、講師と様々な複業の実践家でもある。
現在は「カウンセリング」の良さを広げる伝道師として活動を続けている。