【第4回:対処】やる気が出ない!を解明しよう(全

【第4回:対処】やる気が出ない!を解明しよう(全

全6回でお送りしています。
ついに4回目!折り返しも終わりましたね。
前回は、「予防」という観点からお送りしましたが、どうでしたか?
「予防は大事だけど、今まさにモヤモヤしてるんだけど…」
なんて声も聞こえてくるようです。
なので、今回は気持ちを上げるというテーマ。
「対処」という観点からお届けします。

【第1回】そもそも5月病って何?
【第2回】5月病になりやすい人の傾向
【第3回】気持ちを保つためには?
【第4回】気持ちがモヤモヤしている時の対処法(この記事)
【第5回】部下に5月病の症状が現れた時の対処法
【第6回】これから起きる「やる気が出ない」時期とは?

4節 気持ちがモヤモヤして調子がアップしない場合の対処法

例えばゴールデンウイーク明け。
会社にどうしても行きたくないと思ってしまった場合、どうしたらいいのでしょうか?無理してでも行くべきなのでしょうか?
今回は、実際に相談された悩みに対して回答をしていきたいと思います。

Q:会社には出社したものの、まったく仕事が手につきません。どうしたらいいのでしょうか? 誰かに相談するべきなのでしょうか?

はい。できればだれかに相談することをお勧めします。
まずは話をしやすい人に相談するなどしてみて下さい。そして、できれば仕事が手につかない事実を客観的にその方とみていくのが良いでしょう。
体調など心身に不安がある場合は、医師に相談することも検討する方が良いと考えられますが、仕事が手につかないという場合も程度によっては医師に相談すべき事例といえるのです。
それは、モチベーションが上がらない、やる気が出ないといった抽象的な症状だとしても、事実上職務に影響しているという点で事例性があると考えられる為です。
事例性とは、病気かどうかはわからないけれど、客観的事実として職場で起きている問題点のことを指します。職場での問題にいち早く気づけるのは自分自身や周りである事は間違いありません。相談することを通して、自分を見直すきっかけにもなりますから、相談は積極的にできるのが望ましいと言えます。
ただ、本当に参ってしまってからは誰かに相談ということもしづらくなります。まじめな人ほど、まだがんばれると自分を追い込んでしまう傾向があるとも言われていますし、「まだ頑張れる」と考えることは、「もう頑張れない」と体がサインを出している為だというくらいの認識で、早め早めの相談を心がけましょう。

Q :そもそもモチベーションアップの方法ってあるのでしょうか?

モチベーションアップの方法はあります。
自分の中でモチベーションをアップさせるための方法と共に、モチベーションが低下している人のモチベーションを回復させる方法を解説したいと思います。
まず、自分自身でモチベーションを回復する方法です。
モチベーションが下がってしまっている場合、前提として休息が必要になってくる場合が多いです。
今まで慣れるためにストレスや疲労を溜めてしまっていますから、その回復を図ることが先決です。
そしてその後、4月に自分が何をしてきたかを考えてみて下さい。
できたことやできなかったことではなく、何をしたかを事実ベースで考えることが大事です。
できる・できないという認識は、自分の評価に過ぎないことがよくありますから、自分で自分の首を絞めないように、あくまで事実だけを考えることが大切なのです。
そして、その事実をもとに自分が何を心がけたのか・何をしたかを考えてみて下さい。
できた・できないとは別に自分の経験が具体的になってくるのではないでしょうか。
その上で、次にできそうな工夫や目標を自分で立てることで、モチベーションアップにつながります。
例えば、新人研修に参加したという事実の中に、自己紹介をしたというものがあったとします。
そしてその自己紹介をしたという事実の中には、相手に伝わるように声の大きさに配慮したことや、人によってアピールを変えたことなど自分なりにやってきたことがあるのではないでしょうか。
人が何かを評価する場合、その目的を達成できた・できないということで考えがちです。
しかし、自分が何をしてきたかという経験をしっかり棚卸することで、これができる自分、足りない自分を言うものを具体的にしていくことができ、次に繋げる力とできるのです。

また、モチベーションが低下している人への関わり方も大切です。
「今は俺のモチベを何とかしてくれ…」って話なんだけど!
と、お怒りの方ももしかしたらいるかもしれません。
ただ、ここでお伝えしたいのは「モチベーションを他人に上げてもらう」ということ。
自分だけが上げてもらえるんじゃなくて、このあたりはお互い様。
お互いに関わりあって、モチベーションを維持向上していってもらいたいなと思っています。
それではいきましょう!

モチベーションが低下している方は、外から見ていて話しかけづらい雰囲気があったりもしますが、まずは声をかけることが大事です。
一人でいると、マイナス思考に陥りがち。
「どうせ自分はできないから・・・」
「俺が足を引っ張っているんだ・・・」
などなど、自分で自分を責めている為に抜け出すきっかけが作れません。
ですから、周りの気づいた方が声をかけていくという姿勢がとても大事になるのです。
次は、どう声をかけるかです。
私は、基本的にはその方を承認するような声かけをしていくことをお勧めしています。
例えば、「職場にはもう慣れた?」と声をかけるのではなく、「まだ慣れない部分もあるかもしれないけど今のペースでゆっくりね」と声をかけるのです。
他にも、「大丈夫?」と声をかけたとしても、「大丈夫です。」としか返ってこない場合が多いです。
それなので、「今どんな感じ?」と自由に語れるように声をかけた後、できている部分を「ちゃんとできているから心配ない。その調子で進めて行こう」と声をかけてあげられると良いでしょう。
このように相手を否定せず、今を受け入れて承認していく姿勢が、相手のモチベーションアップの為には大事になることです。

モチベーションをあげるというのは、できるとは言いましたが本当に難しいテーマです。
普段私は、モチベーションをあげることは不可能だと言っています。
それは、モチベーションは定義しづらく、客観的に測りにくいから。
その人にとっては「見えないもの」に過ぎない「やる気」も、客観的には、「動けているか」というようなアウトプットを求められます。
組織の中だと、「成果」と言い換えて用いられがちなモチベーション。
うまく付き合っていきたいですね!

次回は?

次回は、チームでの成果を意識せざるを得ないマネージャー層に向けて「部下や後輩の様子が変だな」と感じたときの対処法をお伝えしますね!

投稿者プロフィール

木村 俊夫
木村 俊夫
自信が無くて引きこもっていた自分が前に進めたきっかけは「聴いてくれる人」でした。大学卒業後から起業し「聴く」ことをベースに活動をしています。教育、面接、マネジメント、カウンセリング、講師と様々な複業の実践家でもある。
現在は「カウンセリング」の良さを広げる伝道師として活動を続けている。