【第6回】これから起きる「やる気が出ない」時期とは?

【第6回】これから起きる「やる気が出ない」時期とは?

全6回でお送りしています。
今回で最終回!ついに最後のテーマです。
知らず知らずに自分を追い込んでしまって、やる気が出ない状態をつくっちゃっている。そんな傾向についても前回知りましたよね。
最後のテーマは、。
「これから」という観点からお届けします。

【第1回】そもそも5月病って何?
【第2回】5月病になりやすい人の傾向
【第3回】気持ちを保つためには?
【第4回】気持ちがモヤモヤしている時の対処法
【第5回】部下に5月病の症状が現れた時の対処法
【第6回】これから起きる「やる気が出ない」時期とは?(この記事)

 

6節 これから起きる「やる気がでない」時期とは?

◆5月病って続くの?

例えば、6月病と俗に呼ばれている症状は存在します。
ただ、5月病が治らないとかこじらせたというのとは少し違うと考えられます。
5月病とは、年度が明けての4月に適応する為にストレスや疲れを感じている中で、それがゴールデンウイークを境にして緊張が緩み、症状として顕在化していく状況を指します。
対して6月病の場合は、4月5月に感じたストレスや疲れが6月になってから顕在化していく状態を指して、そう呼ぶ場合が多いです。
どちらも同じく、環境への適応の為にストレスや疲労を感じていて、それが顕在化することでモチベーションの低下ややる気の減少につながるものという点では共通しています。
ただ、違うのは休みという物理的なものをきっかけにするのではなく、6月という気候が抑うつ状態を作りやすかったり、長丁場の研修がやっと終わり緊張の糸が完全に切れてしまったりという状況が、モチベーションの低下ややる気の減少を招いていると考えられる点が違います。

◆どのような人が陥りやすいのでしょうか?

新入社員の方は特に要注意です。
4月5月に研修プログラムがきっちり組み込まれていたあなた、無理していませんか?
2か月分のストレスと疲れを溜めて、この後現場に入るというのですから、既に抱えているストレスに現場のストレスも加算してしまい潰れてしまうということも考えられます。
特に、まじめで誠実な人ほど陥りやすく思います。
「現場で実践せねばならない」「活躍せねばならない」「研修をさせてくれる会社へ感謝しなくてはならない」といったように、どんどん自分を追い込むように働きづめになっていく方が多いように感じます。
ただし、絶対陥らない方というのはいません。
したがって、人事視点で申し上げれば、4月5月で長期の研修を計画している場合は、一人ひとりのケアを大切にしてあげてください。
長めの研修は、確かに一人ひとりの成長を促します。
けれど、研修の修了というゴールを迎えた後燃え尽きてしまい、現場でどう活躍すればいいかまで頭が働かない状態となるケースも見られます。
研修の最後にキャリアコンサルティングをし、経験の棚卸と今後のキャリアデザインをする機会がある場合、燃え尽きる傾向が少なくなるのもモチベーションの維持ややる気の減少を食い止める一助となっているという私の経験からも、誰しもが陥る危険があるということを念頭に行動していくことが良いと考えられます。

◆これから起きる「やる気」が失せたり、モチベーションが下がったりする時季は?

あります。
時季の話で言えばゴールデンウイークに準ずるような、長めの休みの後が考えられます。
例えばお盆休みで実家に帰った後や、有給休暇を使い正月休みを長めにとった後などが挙げられるでしょう。
この場合、環境への適応は既に問題がなくなっていたとしても、生活と仕事のギャップの為にモチベーションの低下がみられることになります。
例えば、毎日クレーム対応に追われていた人が一切のクレームが入らない生活をまとまった期間で過ごしていると、クレーム対応というストレスのある現場に戻りたくなくなるというものがあげられます。
本心ではストレスに感じていることでも、普段であればストレスを感じる環境が普通ですからギャップをそこまで強く感じることはありません。
けれど、一度ストレスのない生活をまとまった期間で過ごしている中で、大きなギャップに気づきます。
そして、「自分は何でここでこんなにストレスを溜めてまで働いているんだ」といったように、モチベーションの低下に繋がってしまいます。
また、時季ではありませんが、大きめの仕事が完了した後などもやる気が下がったりモチベーションの低下に苛まれるケースも多いです。
それは、仕事を完成させるという大きな目標の中で仕事をしていた為に、完成後に張りつめていた糸が切れてしまうからです。
絶対成功しなければならないと気を張っていた仕事が完成したときのことを考えてみて下さい。
まずは、喜びとほっとする感じがあると思います。
ただ、ほっとしたまま放っておくと、何をしたらいいのかが全く分からなくなります。
目標もなく、指示を待つだけといったスタイルになりがちですから、モチベーションの低下が心配されるのです。
いずれにせよ、自分の中でのギャップを強く感じている時や、目前の仕事の完成にだけ力を注いでいた場合など、視野が狭くなっている場合に何かをきっかけにしてモチベーションの低下ややる気の減少は起こりうると考えられます。

◆最後に

コロナという大きな社会変化の中は悪いことばかりではありません。
通勤が無くなったり、家族との会話が増えたりと、いいこともたくさん起こっていると言われています。
しかし、コロナという状態が起きると知っていた人は誰もいないのではないでしょうか。
私たちは、まさに今、不確実な時代に生きています。
カウンセリングとは、そんな時代だからこその人と人の適切な関わりあいだと私は思います。
健康診断や歯科検診のように、今のキャリアと未来を見つめる「キャリア検診保険制度」のようなものを近い将来に生みだしたいなと私は考えています。

投稿者プロフィール

木村 俊夫
木村 俊夫
自信が無くて引きこもっていた自分が前に進めたきっかけは「聴いてくれる人」でした。大学卒業後から起業し「聴く」ことをベースに活動をしています。教育、面接、マネジメント、カウンセリング、講師と様々な複業の実践家でもある。
現在は「カウンセリング」の良さを広げる伝道師として活動を続けている。