【第5回】一方的に話しがちな人との人間関係を改善しよう

【第5回】一方的に話しがちな人との人間関係を改善しよう

キャリアカウンセラーの岸まゆみです。
先月から、「カウンセラーが教える職場の人間関係改善術」をテーマにお届けしています。

(前回までの記事はこちら)
【第1回】職場の中にある人間関係の負担とは?
【第2回】上司との人間関係を良くする方法
【第3回】人間関係に配慮した部下・後輩指導とは?
【第4回】コミュニケーションのタイミングが悪い人との人間関係を改善しよう

今回は、「一方的に話しがちな人との人間関係改善術」についてお届けします。

一方的に話しがちな人とは?

今回取り上げるのは、こんな人のことです。

<一方的に話しがちな人とは?>
 ・自分のことばかり話す人
 ・自分のペースで話を進めようとする人

  (自己中心的・マシンガントークetc…)
 ・人の話を聞いていない人
 ・人が話をしているのに、かぶせて自分の話をする人

あなたの周りにも、こんな人はいませんか?
私は、一方的に話しがちな人がすごく苦手で、このような人と仕事をする上で悩むことが多々ありました。
そんな自分の体験も思い出しながら、「一方的に話しがちな人との人間関係改善術」を考えてみようと思います。

なぜ一方的に話すのか?

そもそも、一方的に話す人が、なぜそうなってしまうのかに目を向けてみます。

◆発達障害の可能性
一方的に話してしまう人は、発達障害である可能性もあります。
発達障害とは、脳の中にある海馬の発達の遅れなどが原因で、幼少期から「つい話しすぎてしまう」「自分の感情がコントロールしにくい」など、行動面や情緒面に特徴がある状態です。
なので、一概に「話し過ぎはダメだから直せ!」という訳ではなく、周りの人たちが「話しすぎてしまうのはその人の特徴である」と捉えて接することも必要でしょう。

◆プライベートで話を聴いてくれる人がいない、機会がない
一人暮らしの人や、家族がいてもあまり会話がない人、家族に話をしてもあまり聞いてもらえない人、気兼ねなく話せる友人がいない、または友人と本音で話す機会がない人など・・・プライベートで自分の話を聴いてもらえていない人は、職場で一方的に話をする傾向があります。

◆自分が正しいと思い込んでいる
経験豊富な人にほど多かったりするのですが、「自分が正しい」と思い込んでいるパターンです。相手の意見を聞く必要がないと思っており、自分と違う意見の人に対してはいかに自分の意見が正しいかを理解させ、論破しようとします。そのため、一方的に話すのです。

◆自分に自信がない
自分に自信がない人は、人から否定されることを強く恐れます。
このような方は自分の意見が却下されると、「自分の存在価値が否定された!」と勘違いしてしまうのです。
そのため、無意識にたくさん話すことで相手が話せない状況を作り、否定の言葉を言われないように自分をガードしているのです。

◆聴き方が分からない
私はカウンセラーの技法を学んでから気づきましたが、「聴くこと」は以外と難しいです。カウンセラーの場合は、自分の意見を脇に置いて相手の話を聴く必要があります。これは、けっこう意識しないと簡単にはできません。そんな難しいことを世の中の全員ができなくて当然です。ほとんどの上司は、「聴き方」を学んだことがなく、学んだとしても実践できていないのです。どうしても自分の思っている方向に誘導してしまったり、部下の話を聞いているようなそぶりをしながら自分の話す内容を考えていたりするものです。

◆単なる話し好き
私は大阪在住なので、商店街などで「大阪のおばちゃん」達の会話を聞くことがありますが、本当に面白いです!お互いがまくしたてるように喋っていて、どちらも相手の話を聞いていなかったりするのです。本人たちは、それで良しとしているんですよね。「相手に話を聞いてもらいたい」という気持ちよりも「話したい」という気持ちが勝っている感じがします。生まれてこの方話すことが大好きで、いつでも喋り倒しているという人もいます。一方的に話す人の中には「相手の話を聴く」なんて考えてもいない程の「単なる話好きの人」という可能性もありますね。

一方的に話しがちな人との接し方

◆話を聞くのは負担にならない範囲で
一方的に話す人の話を聞くのが「楽しい!」という場合は、時間が許す限り聞いて問題ないと思います。しかし、聞くことが辛かったり面白くなかったりと嫌な感情を感じる場合は、無理して聞く必要はありません。聞くのは業務に必要な最低限のことだけとし、あなたが負担に感じない程度にしておきましょう。興味のない話や、仕事に関係のない話は、一切聞かなくて大丈夫です!

◆こちらから話を切る
一方的に話す人は、止められない限りずっと話している場合も多々あります。もしあなたが「いい人」で、なかなか相手の話を切ることができないのであれば、話したい人にとってはすごく心地の良い話相手となっているでしょう。でも、そのままでいると、あなたの時間や活力が奪われていきます。なので、あなたから思い切って話を切ってしまいましょう!「話が長い」などど相手に伝える必要はありません。「ちょっと急ぎの仕事があるので」等と伝え、これ以上話をしないように席を外すなど、差し障りのない伝え方でよいでしょう。

◆距離を置く
一方的に話す人を負担に感じるのであれば、可能な範囲で距離を置くというのも有効です。自分を「いつも忙しいので話には付き合えません」というキャラに設定するような感覚で、自分から話に入っていかないようにし、話を振られてもその話題に乗らない。こうすると、相手はあなたに話そうという気がなくなるので、距離を置くことができます。相手が直属の上司などでどうしても距離が置けない場合は、前述の通り、話を聞くのは負担にならない範囲のみにしておくと良いと思います。

◆相手の話を聴き、分かってあげる
一方的に話す人は基本的に「分かってほしい」という承認欲求が高いです。そのため、「分かってもらえていない」と思うと、もっともっと話し始めます。そこで有効なのが、「まず、あなたが相手の話を聴き、分かってあげる」ということです。あなたからするとおかしな内容の話であったとしても、一度聴いてみて、「あなたはそう考えているのですね」と受け止めることが重要です。「分かってもらえた」と思うと、一方的な話がピタリと止まるということも実際にあります。

◆あなたの想い、意見を伝える
相手が一方的に話してくるからといって、あなたが我慢しなければならないということは一切ありません。まず、相手の話を聴いて分かってあげてから、あなたの想いや意見も伝えるようにしましょう。反対意見であっても、「あなたの意見はおかしい!」などと言わずに「私はこう考えています」というような言うようにするとトゲがなく、伝わりやすいです。ポイントは「相手を分かってあげてから、自分のことを分かってもらう」ということです。

まとめ

いかがでしたか?
一方的に話す人は心のレベルで言うと「かまってちゃん」の赤ちゃん状態です。
年配の上司であったとしても、一方的に話してくるということは「聞いて聞いて~!!」「私を見て~」と、赤ちゃんが言っているのと同じ心理状態。
そう思ってみると、苦手な相手も面白く見えてきますよ!
無理のない範囲で聴いてあげて、あなたの意見も伝えるようにしながら、仕事を進めていってくださいね!

次回も引き続き、カウンセラーが教える人間関係改善術をお届けしますので、お楽しみに♪

投稿者プロフィール

岸まゆみ
岸まゆみキャリアカウンセラー
2010年より介護サービス企業の法務に10年間携わり、マネジメントも経験。自分がカウンセリングを受けて気持ちが楽になったことからカウンセラーになることを決意。2020年より生活保護受給者の就労支援カウンセラーとして従事した後、2021年10月にキャリアブリッジへ入社。2021年よりフリーのキャリアカウンセラーとしても活動中。