【5年で1兆】リスキリングとリカレント教育の違い

【5年で1兆】リスキリングとリカレント教育の違い

今年始まってすぐ国会で話題になりましたね。
あの、5年で1兆のリスキリングに予算を割くっていうお話です。
今回は、元々あったリカレント教育との違いを踏まえながら、押さえてみたいと思います。

ずばり違いとは?

リスキリングが企業主体で仕事を作る/業務の幅を広げる/新技術に対応するという目的なのに対して、リカレント教育は個人主体で学びを深め続けることが目的であり、専門外の知識や自己啓発なども含まれている点が違います。

混乱しがちな原因として、リカレント教育とリスキリングは両方とも成人教育の形態で、スキルアップや能力向上のための学習をさす言葉だからです。

リカレント教育は、個人のキャリアアップや生涯学習そのものを目的として、学校や専門機関などで提供される教育・研修のことを指します。
これに対して、リスキリングは、既存の職種でのスキルアップや、新しい職種への転職・再就職を目的とした、専門的な訓練プログラムを指します。

つまり、リカレント教育は、人生全体での学び続けることを目的として、自己啓発や専門知識の向上など、より幅広い目的の学習のこと。
一方、リスキリングは、ある特定の職業や業界に関連する専門的なスキルや知識を取得することを目的としているということになるのです。

また、リカレント教育は、企業が社員のスキルアップを支援するための福利厚生的なプログラムとしても提供されることがありますが、
リスキリングは、主に企業が業務の変化や新しい技術の導入に対応するために従業員に提供する場合が多いとされています。

したがって、リカレント教育とリスキリングは、その目的や対象、提供されるプログラムの内容などが異なるため、別々の概念として捉えることができます。

リスキリング

リスキリングとは、既存の従業員が新しいスキルや知識を習得し、現在の仕事に加えて別の分野や職種で活躍できるようになることを指します。
これは、技術革新やビジネス環境の変化に伴い、従業員が最新のトレンドや技術に対応するためと言えますね。

例えば、自動化によって既存の仕事がなくなることがあるため、従業員が新しいスキルを習得して別の分野で働くことが必要になるかもしれません。
また、新しいテクノロジーやソフトウェアの導入に伴い、従業員がそれを理解し、操作できるようになる必要がある場合もあります。
SFA(営業支援ツール)を導入しているのに、古参の人は全部手書きのメモとホワイトボードで管理している!というような状態ではNGです。

このようにリスキリングは、企業が従業員のスキルセットを拡大し、彼らがより多様な役割を果たすことができるようにすることで、生産性を向上させ、企業の成長を促進することを目的にします。
言い換えれば、お仕事を作る/増やす/拡大するために企業が主体で行うものです。

リカレント教育

リカレントとは、そもそも”定期的に繰り返されること”を指します。
一般的には、教育分野で使われる用語として、成人や社会人が学び直すことやスキルアップのための学習を言います。
大人になっても学び続けるという姿勢は、国としてのレベルアップにもつながるということで、政策的な取り組みが進められてきた背景があります。

具体的には、社会人が仕事をしながら、自己啓発や専門知識の向上を目的に、大学や専門学校、短期講座などで学ぶことをリカレント教育といいます。
これは、現代のビジネス環境が日々変化し、新しいスキルや知識を習得する必要があるため、重要な学び方の一つとなっています。

もちろん、リカレント教育を企業が自社の従業員に対して提供することもあります。
福利厚生プログラムにおいて講座を展開していたりするのはリカレント教育の延長と言えるでしょう。
企業としては技術の進歩や市場の変化に合わせて従業員のスキルアップを促すことで、従業員のモチベーションや生産性を向上させ、企業の競争力を高めることができることを期待して導入していることが多いです。

いかがでしたでしょうか?
最近では「上司・部下が間違った言葉を使っているのが気になって話が入ってこない」という悩みも出始めています。
同じ捉え方ができていればその分コミュニケーションもスムーズに進みますから、リスキリングしていきましょう!

投稿者プロフィール

木村 俊夫
木村 俊夫
自信が無くて引きこもっていた自分が前に進めたきっかけは「聴いてくれる人」でした。大学卒業後から起業し「聴く」ことをベースに活動をしています。教育、面接、マネジメント、カウンセリング、講師と様々な複業の実践家でもある。
現在は「カウンセリング」の良さを広げる伝道師として活動を続けている。