仕事は好きですか? 昭和な働き方から令和の働き方へ

仕事は好きですか? 昭和な働き方から令和の働き方へ

石の上にも3年

仕事と会社への向き合い方はここ数十年で大きく変わってきました。
高度成長期からバブル崩壊前までは会社は社員を一生守ってくれる存在でした。だから、新入社員は自ら「石の上にも三年だ!」とか言いながら理不尽な上司の言うことも素直に聞いていたものでした。
また3年間奴隷説というのもありました。新人はどんなご無体なことを指示されても、黙って3年は従うものとされていました。「お前らは3年は奴隷だ!俺の言うことを聞け!」というわけです。でもそれに従うメリットはあったのです。だって、会社は一生養ってくれるわけですから。

当時日本は文字通り高度成長中、みんなが右肩上がりの成長を楽しみ謳歌していたのです。会社とプライベートの区分けはなく、夜はみんなで繰り出し、週末は上司の家でパーティ。会社には卓球台などが置いてあり、社員の子供が放課後遊びに行ってるような、そんな昭和がありました。

仕事の報酬は仕事

時は移り変わり、平成に入ると景色が変わってきます。まず、一生務めあげるという昭和な考え方が変わってきます。女子はお茶くみ、結婚したら退社という会社も徐々に減り始めました。
そしてITバブルの時代がやってきます。
ベンチャー企業が出現し、M&A、ストックオプション、IPO、MBOなんてこれまで聞いたことが無かった単語が頻繁に使われるようになりました。ベンチャー企業の多くは、社員を一生守ってくれる存在ではなくなり会社自体が売り買いされる対象になってしまったのです。ストックオプションで巨額な資産を持つ経営者も出てきて一部の若者が憧れたものでした。
そんな中で、会社も社員も共感を得たことばが「仕事の報酬は仕事」です。とてもいい言葉だとおもいますし、いまでも通じる言葉だと思います。でも今の若い方は仕事の報酬は仕事だけではなく+お金!と思うのではないでしょうか。

フリーランスそしてFIRE

ここ数年、特にコロナ下で加速度的に広がってきたのが「会社は自分を守ってくれない」という考え方です。これは2001年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなどを経験した会社が、リストラやターンアラウンドという言葉に代表される施策を当たり前に打ち出すようになったことが大きなきっかけになっています。ターンアラウンドとは事業再生のことで、優先順位の低い事業・関連会社を切り売りしたり、簡単に従業員を削減したりすることが当たり前に行われるようになりました。働いている方にとってはたまったものではありません。
そんな中で最近注目を浴びている働き方がフリーランス、副業です。一つの会社に一生働くという考え方とは対極の考え方ですね。最近では副業を認める会社の方がかっこいい!という雰囲気がありますし、従業員を独立させて業務委託で仕事をさせるという会社まで出てきています。
もう一つはFIREです。Financial Independence Retire Early (経済的に自立して早く引退しよう!)節約と投資で資金を作り早期な引退を目指すというこの考え方は多くの若者が共感しているようです。

この数十年で働き方や会社とのかかわり方が大きく変わってきました。自分のキャリアをどう考えると良いかも、時代によって大きく変わってきました。コロナのため働き方の変革が大きく進み、その変化は不可逆でしょう。さて皆さんはどのようにこの難しい時代を乗り切りますか? (TA)