歪んだ思い込みが自分を苦しめる?!

歪んだ思い込みが自分を苦しめる?!

●ラインに既読マークはついたのに返信がない!既読スルー??私って嫌われている?
●上司からミスを指摘されてしまった。きっと、できない奴と思われたに違いない。あ~、お先真っ暗だ。
●私が好きでないということは嫌いということね!
●成績優秀って表彰されたけど、たまたまなだけ。私なんて大した人間じゃないし。
●課長なんだから、全部わかっていなければいけないし、判断も素早く・正確ではなければいけない。
●こういう結果になったのはすべて私の責任。天気が悪いのだって私が雨女だから・・

ちょっと例を並べてみました。あれ?似たようなこと、言った覚えがある?思ったことある?という方いらっしゃいませんか?
 これは心理学者であるA・ベックが言っている「歪んだ思い込み」の事例なんです。「うつ病」の研究をしている中でベックは、患者は悪い方に考えが行く、負のスパイラルに陥っていく特徴に気づきます。そして問題の核心は「出来事」そのものよりもそれをどう捉えるかの「認知」にあると研究していきます。そして、それが非論理的で不合理なものを「認知の歪み」とし、それに気づいて検証していくことが治療に大事とし、認知療法の治療の中核となっていきます。
 さて、ベックはこの認知の歪みを幾つかのタイプとして紹介しています。
 上の事例から①勝手な憶測タイプ②悪い方だけに目が行くタイプ③白か黒か、極端タイプ④過小評価・拡大解釈タイプ⑤こうあるべき・ねばならないタイプ⑥自分の責任タイプ・・・が挙げられています。

いかがですか?「自分は勝手な憶測タイプかな?」「ああ、ねばならないタイプだ~」もしかしたら「全部当てはまる」という方もいらっしゃるかもしれません。ここで大切なのは、このタイプだから自分はダメだ(これも極端タイプ?)ではなく、ああ、こういう傾向が自分にはあるから、修正して適応していこうという考え方です。
 そこで、修正していくための合理的な思考法の一例をご紹介します。

1.そう思った・考えた根拠は?(それが誤っていることを示す反証はないか)
2.別の見方はできないか?(もし知人が同様に考えて悩んでいたら、あなたはどう声をかける?)
3.その考え方を貫いた場合の利益・不利益を比較する
4.言葉遣いを修正する
  ~に越したことはない。そうなったらなお良い
  白か黒か決められないこともある(グレーも時にはある)
  できないこともあるが私にはよい点もたくさんある
  完璧な人間などいない
  できないのではなく慣れていないだけ

ちょっと、ものの見方を変えることで気持ちがふっと軽くなりませんか?もし、自分の認知の歪みに気づいたら、合理的な思考法でぜひ、修正してみてくださいね。