【第6回】高圧的な人との人間関係を改善しよう
- 2022.01.20
- 職場/仕事
- カウンセリング, キャリア, キャリアカウンセリング, キャリアコンサルタント, キャリアコンサルティング, キャリア形成, 人間関係, 職場
キャリアカウンセラーの岸まゆみです。
先月から、「カウンセラーが教える職場の人間関係改善術」をテーマにお届けしています。
(前回までの記事はこちら)
【第1回】職場の中にある人間関係の負担とは?
【第2回】上司との人間関係を良くする方法
【第3回】人間関係に配慮した部下・後輩指導とは?
【第4回】コミュニケーションのタイミングが悪い人との人間関係を改善しよう
【第5回】一方的に話しがちな人との人間関係を改善しよう
今回は、「高圧的な人との人間関係改善術」についてお届けします。
高圧的な人とは?
そもそも、「高圧的」とは何なのかを調べてみました。
当然こちらの言うことを聞くべきだという威圧するような態度で、相手を従わせようとするさま。高飛車。
小学館 精選版 日本国語大辞典
今回取り上げるのは、上記のように「自分に従って当然」という態度で接してくる高圧的な人との関わり方です。
・自分の考えを押し付ける
・失敗した人に対して怒鳴ったり、逃げ場がないほど責め立てる
・十分な説明をせず、自分の決定事項に周囲の人を従わせようとする
・すぐ怒るなど、感情的になる。
あなたの周りに、こんな人はいませんか?
もし、あなたの先輩や上司が高圧的な人だったら、日頃のコミュニケーションには工夫が必要かもしれません。
高圧的な人の心理とは?
◆自分に自信がない
前回の記事でも書いたのですが、自分に自信がない人は、人から否定されることを強く恐れています。自分の意見が却下されると「自分の存在価値が否定された!」と勘違いしてしまうほど恐れているのです。
そのため、高圧的な態度を取ることで反対意見を言えないようにし、否定されないようにと自分を守っているのです。ですから、高圧的な人って実はすごく怖がりな人なんですよね。
◆プライドが高い
高圧的な態度を取る人は、なかなか「ごめんなさい」が言えない人。仮に自分が間違っていたとしてもそれを頑なに認めなかったり、人のせいにする人もいますね。プライドが高く、自分の非を認めたくないという思いがあるのです。一度上げた拳は降ろすことができないので、仮に勘違いで怒ってしまった場合でも、何かと理由をつけて相手のせいにしてしまったりします。
◆言いたいことが言えない環境で育ってきた
高圧的な人は、これまでの家庭環境において「言いたいことが言えない」という状態であった可能性があります。例えば、親が高圧的で、自分の意見を言うことが許されずに自分を押し殺して生きてきた人。その人は子供の頃から家で自由に表現できなかった分、「言いたいけど言えていないこと」が心の中に溜まっている状態なんですよね。幼少期から言えなかった自分の想いが溜まりに溜まって、大人になった今、その想いが職場で爆発しているのかもしれません。
◆他の表現方法が分からない
前回の記事で、一方的に話す人は心のレベルで言うと「かまってちゃん」の赤ちゃん状態であると伝えました。実は、今回取り上げている高圧的な人も、心の状態は子供と同じレベルと言えます。
子供は自分の要望を上手く言葉にできないので、何か訴えたいことがあると大声で泣いたりしますよね。高圧的な人もその状態で、「大声で怒鳴っておけば何とかなる」と思い込んでいるのです!本来、落ち着いて会話をすれば解決する問題であっても、どうして良いか分からないのでとりあえず怒鳴る。そうすると周りが委縮して静かにしてくれるので、怒鳴った人の要望が通るということです。
これって、まったく建設的な会話になっていませんよね?
でも、高圧的な人は、これまで、このやり方でやってきたので、他に自分の要望を伝えるやり方が分からないのです。(実際は、怒鳴って要望を通すことが通用していた訳ではなく、周りが対応してくれていただけなんですけどね)
高圧的な人との接し方
◆本人の性格を理解し、要望をくみ取る
「相手はこのような心理状態にあるのだな」と理解し、自分の要望を素直に口に出して言えない性格なんだと分かってあげましょう。高圧的な人が怒り始めたり何かを主張しはじめたら、子供が騒ぎ出したのだと思って、「何を求めているのかな?」と要望をくみ取ってあげると良いでしょう。例え怒鳴られたとしても、その方の性格の問題であり、あなたが否定されている訳ではありません。
◆相手が感情的になる前に、話をしっかり聴く
高圧的な人がヒートアップする前の段階で、その人の意見や主張を聴いてあげましょう。高圧的になりやすい人でも、自分の要望を分かってもらえていると思うと強い言い方をしなくて良くなるので、丸く収めることが期待できます。
◆「相手が不機嫌なのは自分のせいではない」と割り切る
高圧的な人が不機嫌になるのは本人の問題であり、あなたが原因ではありません。しかし、自分が仕事で失敗した時に怒られたり高圧的に詰められたりすると、「自分が悪いんだ」と自分を責めてしまいがちです。そんな時には意識をして、「相手が不機嫌なのは、私のせいではない!」と頭を切り替えましょう。例え、相手が怒った原因があなたの失敗であったとしても、高圧的に責めるような態度を取って良いかというのは別問題です。「自分を責めすぎない」ということがポイントです。
◆第三者に間に入ってもらう
高圧的な人に態度を直してもらいたくても、その人が直属の上司である場合など、なかなか言いづらいこともあると思います。直接言えたとしても、またその発言が原因で相手が感情的に怒ってくるという可能性もあります。
そんな時は、自分だけで解決しようとせず誰かに間に入ってもらい、言いづらいことは第三者を通して言ってもらえるようにするいうのも効果的です。
ハラスメントだと感じたら
高圧的な態度を取る人への対応として注意しておきたいのは、「ハラスメントではないか?」という点です。
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about
①優越的な関係を背景とした言動であって
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されるものであり
①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
高圧的な態度の人と接していて「これってハラスメントでは?」と感じた場合は、あなたの職場におけるハラスメントの定義・ハラスメント相談窓口を調べ、相談するようにしましょう。
このような問題を放っておくと、あなたの心身に支障をきたすのみでなく、組織の風土も悪くなり、生産性も下がり、あなたにとっても会社にとってもデメリットしかない状態となってしまいます。一人で悩まず、信頼できる人に助けを求めてください。
一人で抱え込まないで!
ここまで「高圧的な人との人間関係改善術」についていろいろとお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
大切なのは、「一人で抱え込まずに誰かに相談する」ということです。
あなたが今、人間関係に悩んでいて、信頼できる相談相手がいるのであれば、一度、その人に話してみてほしいと思います。
そして、私たちカウンセラーは「信頼できる第三者」として、いつでもみなさんのお悩みに寄り添います。
職場内でどうしても話せない場合は、私たちカウンセラーに頼っていただければ幸いです。
次回も引き続き、カウンセラーが教える人間関係改善術をお届けしますね!
投稿者プロフィール
- 2010年より介護サービス企業の法務に10年間携わり、マネジメントも経験。自分がカウンセリングを受けて気持ちが楽になったことからカウンセラーになることを決意。2020年より生活保護受給者の就労支援カウンセラーとして従事した後、2021年10月にキャリアブリッジへ入社。2021年よりフリーのキャリアカウンセラーとしても活動中。
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