【第7回】仕事を抱えすぎてイライラしている人へ

【第7回】仕事を抱えすぎてイライラしている人へ

キャリアカウンセラーの岸まゆみです。
先月から、「カウンセラーが教える職場の人間関係改善術」をテーマにお届けしています。

(前回までの記事はこちら)
【第1回】職場の中にある人間関係の負担とは?
【第2回】上司との人間関係を良くする方法
【第3回】人間関係に配慮した部下・後輩指導とは?
【第4回】コミュニケーションのタイミングが悪い人との人間関係を改善しよう
【第5回】一方的に話しがちな人との人間関係を改善しよう
【第6回】高圧的な人との人間関係を改善しよう

今回は、仕事を抱えすぎてイライラしてしまう人へのメッセージをお届けします。

・いつも仕事が溜まっていて、期日に追われている
・なぜか自分にばかり仕事が集まってくる
・頼まれた仕事を断ることができない
・仕事中にイライラすることが多い

あなたは、上記のようなことで悩んでいませんか?

実は私も、以前は仕事を抱えすぎてイライラしてしまう人でした。
この記事は、そんな過去の自分へのメッセージも兼ねてお届けします。

できる人に仕事が集まるもの

仕事ができる人には業務が集中します。
ですから、常に仕事が集まってくる人は仕事ができる人と言えるのではないかと思います。
しかし、常に仕事が溜まっていて終わりが見えず毎日イライラしていると、やりがいを感じにくくなり、業務効率も下がります。放っておくとメンタルの病気になってしまう可能性もあります。

周りの人に気遣いができたり、仕事上必要ないろいろな事に気づくことができるような「仕事ができる」人は、日常生活において「気がかり」が多くなります。
その分、気がかりが少ない人に比べてストレスを抱えやすくなります。

我慢していませんか?

なぜ仕事が溜まっていくかというと、実際にできる技量も能力もあるから。つまり、頑張ればできてしまうからなんですよね!そんな人にはこれからもどんどん仕事が溜まっていくでしょう。

もし、あなたが業務に追われていて、「自分にばかり仕事が集中している」と思っているのだとしたら、日々我慢をしていませんか?

仕事を頼まれた時に、「今は難しい」と断ることも可能なのです。しかし、断らなければどんどん仕事を任され、業務量が増えていきます。
今、どんどん仕事が溜まってくることに対して不満を感じ、イライラしているのであれば、まず今の状況は自分が我慢をしたことが原因で起こっていると捉えることが大事です。

実際、我慢をして取り組めば完了させられるのだとしても、あなたの心の状態はいかがでしょうか?その状態で、毎日笑って過ごせますか?
任された仕事が終わればOKではありません。あなたの心と身体の健康も大切にしてほしいのです。

我慢することをやめてみる

仕事を抱えすぎてイライラしてしまう人は、まず無理すること・我慢することをやめてみることをお勧めします。急に全ての業務を投げ出せと言っているのではありません。できることから、少しづつで良いので我慢をやめてみるのはいかがでしょうか?

◆周りの人に頼ってみる
一人で抱え込まず、「手伝って」「助けて」と言えるようになると、ずいぶん楽になります。あなたができる人であればあるほど、人に頼むことに抵抗があるかも知れません。「人に頼むよりも自分でやった方が早い」というのは良く聞く話です。
しかし、いつまでも一人で仕事を抱えていると、いざ、あなたが急に動けなくなった時に周りの人や会社が対応できなくなってしまいます。

◆仕事を断ってみる
自分の抱えている仕事量、プライベートとのバランスも加味し、厳しいと思った仕事は断るというのも選択肢の一つです。依頼された業務を完全に断わるのではなく、一部は他の人にやってもらう、期日を伸ばしてもらうなどの交渉をするだけでも負担が減ると思います。どうしても断れない、自分がやらなければならないのだとすれば、業務整理や増員が必要になるかも知れません。いずれにしても、頼まれた場合に「今の状況で対応するのは厳しい」と声を上げられるようになると、ストレスを減らせますよ。

◆弱音を吐いてもいい
イライラしているあなたは、ちょっと頑張りすぎているかも知れません。でも実際は、そんなに頑張らなくても大丈夫!時には弱音を吐いても良いのです。一人で何でも抱え込もうとせず、話しやすい人に、言える範囲で伝えてみましょう。きっと、分かってくれる人がいるはずです。

仕事を抱えすぎてイライラしている人との関わり方

最後に、仕事を抱えすぎてイライラしている人の周りの人が、どのように関わればよいのか、私の意見をお伝えします。

◆話を聴いて分かってあげる
イライラしている人は、不満がたまっており、言いたいことがたくさんあるはずです。愚痴や不満も含めて聴いてあげて、「そう思っているんだね」と気持ちを受け止めてあげてください。「分かってもらえた」と思うと、イライラが収まることもあります。

◆適度な距離を置く
ただ、気持ちに余裕がない時は、イライラしている人の話に付き合ってあげなくても大丈夫です。無理をすると、イライラしている人の周りの人が嫌な思いをしなければならなくなってしまいますから。仕事を抱えすぎてイライラするのは、「本人が勝手に我慢しているから」という原因が大きいです。なので、その人が自分で自分の行動を変えるなどして、自分の課題を自分で乗り越えていかなければ解決できないのです。他人の課題を解決しようとしなくて大丈夫なので、適度な距離を取ってよいと思います。

◆できる限りの手助けをする
仕事を抱え込んでイライラしている人は「この仕事は自分にしかできない」「誰にも頼めない」と思い込んでいるかも知れません。しかし、実際は周りの人が業務の一部だけでも手伝うことで、負担の軽減ができるはずです。イライラしている人は「助けて」と言えない人が多いので、周りの人が気づいて助けたり手伝ってあげるということは有効だと思います。無理している人がいることに気づいたら、手を差し伸べてあげて欲しいです。「そんなに頑張らなくていいよ」と伝えるだけでも良いのではないでしょうか。

まとめ

本日は、仕事を抱えすぎてイライラしてしまう人へのメッセージと、そんな人に対する関わり方についてお届けしましたが、いかがでしたか?
少しでも参考になることがあれば嬉しいです。

次回はカウンセラー木村さんの視点から考える「人間関係改善術」を書いてもらう予定です。お楽しみに!!

投稿者プロフィール

岸まゆみ
岸まゆみキャリアカウンセラー
2010年より介護サービス企業の法務に10年間携わり、マネジメントも経験。自分がカウンセリングを受けて気持ちが楽になったことからカウンセラーになることを決意。2020年より生活保護受給者の就労支援カウンセラーとして従事した後、2021年10月にキャリアブリッジへ入社。2021年よりフリーのキャリアカウンセラーとしても活動中。